マダニについてお教えください?
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■徳島県内の生息状況は?
マダニは世界中に800以上の種が知られており、そのうち日本には47種が生息しています。民家の裏山や裏庭、畑、あぜ道など動物が通るところならどこでもいる可能性があります。特に好むのは湿気のある草むらです。寒い冬は落ち葉の陰などに隠れて越冬し、草地の草丈が10cm以上になる頃に活動を開始(地域により異るが5月上旬前後)します。
マダニの体内には微生物などが共生体もしくは寄生体として棲みついていることが多く、かまれると感染症にかかることがあります。マダニによる感染症として「日本紅斑熱」「つつが虫病」「重症熱性血小板症候群(SFTS)」などがあり、徳島県では過去10年間において毎年発生が確認されています。発生期間は4月~1月で、特に6月頃が最も多く、登山、ハイキングで山林に入る方や森林作業、農作業などの屋外作業が多い中高年の方を中心に発生しています。
SFTSは2013年1月に国内で初めて報告された感染症で、マダニにかまれてから6日~2週間程度で発症します。主な症状は、発熱、嘔吐、下痢、腹痛などですが、重症化すると死亡することもあります。フタトゲチマダニ、タカサゴキララマダニなどがSFTSウィルスを運ぶと考えられており、2014年6月4日までに徳島県を含む西日本13県で61人のSFTS患者が(うち22名が死亡)が確認されています。
参考:国立感染症研究所 http://www.nih.go.jp/niid/ja/sfts/3143-sfts.html
■野外活動する時には,どんな準備が必要か?
マダニによる感染症にかからないためには、「マダニにかまれないこと」が重要です。
農作業や山林に入るなど野外に出るときは、長そで、長ズボン、足を完全に覆う靴を着用し、腕、足、首などなるべく肌の露出を少なくします。白っぽい色ですべりやすい素材の衣類や靴を選ぶと、マダニが付着しても見つけやすく、マダニも付着しにくくなります。マダニにかまれても、痛みやかゆみはほとんど無いため、屋外活動後は入浴でマダニが付いていなか確認しましょう。また、マダニは野ウサギ、野ネズミ、シカ、イノシシなどの野生動物や、ネコ、散歩中のイヌなどについていることもあるので注意が必要です。
■マダニに刺されたときの対処方法は?
マダニは皮膚にかみつくと、口器からセメント様の物質を出して皮膚にしっかりと吸着し、長時間(数日から10日間程度)血を吸い続けます。見つけたら早めに取り除くことが肝心ですが、吸血中のマダニを無理に取り除こうとすると、マダニの口器が皮膚の中に残り化膿することがあるので、皮膚科などの医療機関で適切な処置(マダニの除去や消毒など)を受けてください。
■マダニが寄ってこない忌避剤があるの?
ディートを虫よけ成分としたスプレー、ティシュなど様々なタイプの忌避剤があります。マダニ、蚊、ブユなど様々な害虫に対して高い忌避効果があり、個人や環境や製品(ディート濃度等)によって差はありますが、1回の使用で一定時間忌避効果が持続します。 忌避剤の使用で付着するマダニ数は減少しますが、マダニを完全に防ぐわけではありません。忌避剤を過信せず、様々な防護手段と組み合わせて対策を取ることが大切です。 ―以上―